毒ガス兵器が世界を地獄に落とした
第一次世界大戦、膠着した塹壕戦を打開するために、非人道的な毒ガス兵器が生み出されました。
一つの兵器で多くの人間を苦しめながら死に至らしめる惨たらしい発明でした。
ガス兵器に対抗するには、ガスを吸わないようにする必要がありました。そのため対毒ガス兵器装備も開発されていきました。
ガスマスクはそのひとつです。
今回はガスマスクのある風景画像や人物画像を集めてみました。
ロバにもガスマスク
1916年、おそらく第一次世界大戦中の画像です。二人のドイツ兵がガスマスクを着用しています。
この人用ガスマスクはドイツが開発したGM-15という型番もので、天然ゴムと布で出来ていたそうです。なんと一個一個手作りなんだとか。
またロバにもロバ用のガスマスクが用意されています。馬や牛は物資運搬や移動に欠かせない生き物だったので、ガスから守る必要がありました。無理やり人用のマスクをあてがっていますね。
Two German soldiers and their mule wearing gas masks, ca. 1916
4種のガスマスク
こちらもドイツ兵の画像です。4人はそれぞれ別な種類のガスマスクをしています。
簡易的な口だけを覆う布製のマスク、顔をすべて覆う濾過フィルタなしのマスク、よく見る二眼式の濾過フィルタ付きのマスク(おそらくGM-15)、マウスピースで浄化装置から呼吸をするマスクです。
これらは1915年ころに開発されて実戦投入されていたそうです。
濾過フィルタなしのマスクにどれだけ防御効果があったのでしょうか?
German soldiers wearing four different types of gas masks that had been developed by late 1915.
犬にもガスマスク
こちらは犬用のガスマスク。
第一次世界大戦では伝令に伝書鳩をつかったり、犬を使ったりしていました。
そのため犬を守るために犬用ガスマスクが開発されています。
こちらはかなりしっかりとした作りのマスクですね。ハーネスと一体化しておりちょっとやそっとでは外れないようになっています。
頭もすべてを覆うようになっており高い気密性があるようです。
こちらは半面タイプ。犬は耳もよいので任務によっては、耳が露出していないといけないこともあったのかもしれません。
真ん中の犬は濾過装置付きのガスマスクを着用しています。犬用でも様々な種類のガスマスクが開発されていたことがわかります。
さまざまなガスマスク
第一次世界大戦で使われたさまざまなガスマスクです。ちょっと画像が荒く見にくいですが、本当にいろんな種類があることがわかります。
こんな時にもガスマスク
こちらはガスマスクをつけた状態でトランプに興じるドイツ兵の画像。
実際にガスマスクがそれほど使用頻度が高かったのか、それとも写真を撮るために着けたのかはわかりませんが、当時の状況がよくわかりますね。
意外と便利?
最後は少しだけ、おもしろ画像です。兵士が食事の準備のために玉ねぎをカットしているのですが、涙がでるのでガスマスクをしているようです。
こんな使い方もされていたんですね。
人間が開発したなかでももっとも凄惨な被害を出す毒ガス兵器。それから身を守るガスマスクですが、何故か見た目がとても不気味に感じます。
なんというか人間の業を感じてしまいますね。
ガスマスクなど完全に使わなくて良い時代が来ることを願います。