日々の家事の中でも季節によって左右されるのが洗濯。乾きにくい季節、乾きやすい季節があります。
冬など乾燥している時期は乾きやすいですし、梅雨の時期などはジメジメして乾きにくいです。
でも湿度とは別に、風が吹いていると洗濯物が乾きやすいですよね。
なぜ風が吹いていると洗濯物が乾きやすくなるのでしょうか?
水分が水蒸気になる仕組み
水分が蒸発するということは、水分が水蒸気、つまり気体になることを言います。
私達は小学生のころから水は100℃で沸騰して水蒸気(気体)になると教えられてきました。
しかしこの100℃になると水蒸気になるという現象は、言い換えると「蒸気圧が大気圧に勝った状態」とも言えます。
蒸気圧とは水が水蒸気になって空気中に拡散したい力で、大気圧は大気の圧力で地上では1013hpaとされています。
つまり100℃になると水が水蒸気になって空気中に拡散したい力が大気圧を超えるので、沢山の水が水蒸気となっていくのです。
洗濯物が乾く仕組み
ただ、100℃にならないとまったく水蒸気にならないのかというとそうではありません。
100℃で蒸気圧が大気圧に勝つだけで、25℃くらいでも蒸気圧は少しありますので、ちょっとずつ水蒸気になります。
コップに入れていた水が少しずつ減るのも、水滴がいつの間にか乾いているのもそのせいです。
水が乾くというのは、水分が蒸発して水蒸気となって空気中に移ったということを指します。
つまり簡単に言うと洗濯物の乾燥とは空気中に洗濯物の水分を移すことなのです。
洗濯物から空気に水分を移すことと説明しましたが、これで洗濯物の周りの空気の湿度が上がることになります。
洗濯物が乾燥するにつれて周りの空気の湿度は高まっていくことになります。
空気が水蒸気を抱えられる量はいろいろな条件がありますが限りがあります。
いわゆる湿度100%とになるともう水蒸気を抱えることができません。
つまり、もし洗濯物の周りの空気が湿度100%になってしまったら、水分が蒸発できないので、乾かなくなってしまうのです。
湿度100%でなくとも、湿度が高いほど水分は蒸発しにくくなるので、乾きにくくなります。
風が吹くと空気が移動する?
無風の場合洗濯物の周りには、洗濯物からの水蒸気で湿度のあがった空気が留まってしまいます。
ですから洗濯物の周りの空気は湿度100%に近づいていき、どんどん乾きにくくなるのです。
しかし、風が吹くとどうでしょうか?洗濯物の周りの湿った空気が風によって飛ばされていきます。
かわりに湿度の低い空気が洗濯もの周りにやってきます。
風が吹いていると、湿度の高い空気を飛ばし、湿度の低い空気が次から次へ運んできてくれるので、洗濯物のまわりの空気の湿度が高くならなくて済みます。
こうした理由で風が吹くと、洗濯物が乾きやすいということなのです。
風が吹いても
風が吹いていても、湿度100%の日は洗濯物は絶望的に乾かないでしょう。
風で空気を飛ばしても乾いた空気はこないからです。
風が吹く日でもジメジメしているとあまり乾きが良くないのは、もともと空気に水蒸気を抱えられる量が少ないからです。
一番洗濯物が速く乾くのは、温度が高く、湿度が低く、風が吹いている時になります。
おおよそ梅雨前の4〜5月は洗濯ものが乾きやすい条件が整いやすいのでは無いかと思います。
部屋干しでは
部屋干しでも扇風機などで風を当てると乾きやすくなります。
ただし、外干しと違って部屋の空気は量が少なく洗濯物の水蒸気で容易に部屋全体の湿度が上がってしまいます。
そうなると湿度の低い空気を風で送りこむことができないので、乾きにくくなります。
この場合は除湿機を併用して、部屋の湿度を下げつつ風を当てるのが有効でしょう。
まとめ
- 洗濯物が乾くのは、水分が蒸発して空気に水蒸気が移るため
- 洗濯物からの水蒸気で、周りの空気の湿度があがる
- 空気には水蒸気を抱えられる上限がある→湿度100%
- 湿度100%になると乾かなくなる
- 風が吹くと洗濯物の周りの湿度の高い空気が飛ばされ、湿度の低い空気が運ばれてくる
- 洗濯物の水蒸気はどんどん湿度の低い空気に移ることができるので乾きやすくなる