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言葉が無くても伝わるよ「拈華微笑」

  • 2016/08/17 17:37:03

「拈華微笑(ねんげびしょう」は「言葉を使わず心が通じること」を意味します。

出典は「無門関」。仏教の禅宗の公案集(修行者が悟りを開くための課題として与えられる問題集のこと)この書物に以下のようなエピソードがあります。

「世尊、昔、霊山会上に在って、花を拈じて衆に示す。是の時、衆皆な黙然たり。惟迦葉尊者のみ、破顔微笑す。世尊云く、「吾に正法眼蔵、涅槃妙心、実相無相、微妙法門あり。不立文字、教外別伝、摩訶迦葉に付嘱す」

(インドの霊鷲山でブッダが弟子に説法していたとき、黙って大梵天王から受けた金波羅華(金色のはすの花)を拈(ひね)ったところ、その意味を理解できる弟子はいなかった、迦葉尊者だけが、意味に気づいて微笑んだので、ブッダは迦葉に仏法の真理を伝えた)

ただ黙って華を差し出すことで、「言葉で伝えることが出来ない」ということを示したブッダの心を迦葉尊者が理解したということです。

公案集は禅問答とも言われますが、いわゆる無理会話(むりえわ、知的に理解することが難しい内容)で難解すぎます。だからこそブッダの心が分かったのも一人の弟子しかいなかったのでしょう。