「悪衣悪食(あくいあくしょく)」は「質素で粗末な衣服や食事」を意味します。
出典は「論語」。孔子と高弟の言動を孔子の死後に、弟子達が記録編纂した儒学思想に関する全20篇の書物です。「論語」は中国のみならず、日本の思想にも深い影響があります。この書物に里仁という章に以下のような孔子のエピソードがあります。
「子曰く、士、道に志して、悪衣悪食を恥ずる者は、未だ与に議るに足らず。」
(先生はおっしゃった。「道徳を志す人で、粗末な服や質素な食事など外面的なことを恥じるようでは、共に道徳について語る資格はない」)
外面的なことにこだわるようではまだまだだという教えです。このとき使われた「悪衣悪食」が「質素で粗末な衣服や食事」を意味するようになりました。
悪という字がありますので、あまり印象が良くないですが、エピソード上ではどちらかというと清貧としての結果の粗末な衣食というイメージです。