「勧善懲悪(かんぜんちょうあく)」は「善行を広めて、悪事を駆逐する」という意味です。
日本人はこの考え方が好きで、時代劇やドラマでも「勧善懲悪」をテーマにした作品がたくさんありますね。水戸黄門なんかは「勧善懲悪」の塊みたいなものです。。
出典は「春秋左氏伝」。孔子が書いたとされる「春秋」の注釈書(意味の解釈や注意点などをつけて読みやすくした書物の事)です。
孔子ですので内容はもちろん儒学に関してです。この書物の一節に
春秋の称、微にして顕、志(しる)して晦(かい)なり。婉(えん)にして章を成し、尽して汚(ま)げず。悪を懲らして善を勧む。
(春秋という書物の書き方は、文字が少ないが明確であからさまでない。婉曲しているが内容ははっきりしていて、注意を尽くして悪を懲らしめ善を勧めるとあるよ)
とあります。
この文章が「勧善懲悪」の元になっています。
「勧善懲悪」の思想は世界中にあり、古くから人の規範となるべき思想とされていることが多いのですが、価値観の多様化などで近年では受け入れない人も多くいるようです。