戦車はカッコイイ
最終章の制作も決まり、まだまだ人気のガールズ&パンツァー。
ガルパンで戦車に興味を持った方も多いのではないでしょうか?私もそのうちの一人です。
ガルパンでは主に第二次世界大戦ことの戦車が活躍しています。
しかし西住みほ率いる大洗女子学園戦車道の教官、蝶野亜美は劇中では陸上自衛隊富士学校の富士教導団戦車教導隊所属の1等陸尉だそうで、10式戦車にて試合観戦に来ているシーンもありました。
10式戦車の履帯が外れてしまい回収するまで
今回は富士総合火力演習でファンの方が撮影した10式戦車の珍しい動画がyoutubeにアップされていましたので紹介します。
10式戦車登場!!
富士総合火力演習ではさまざまな兵器が登場しますが、その中での花形なのが戦車での演習です。
動画では10式戦車が数両進出して、目標に相対する状態になっていますが、右側の10式戦車1両の様子がちょっとおかしいです。
履帯が外れてしまう…
カメラがズームアップすると、なんとキャタピラ(本来キャタピラは商標なので「履帯(りたい)」というのが正しいそうです)が外れてしまっています。
どうやら方向転換をする時に外れてしまったようですね。
回収車登場!!
回収車が登場します。戦車にはそれ専用の回収車が配備されているそうです。
10式戦車では11式装軌車回収車という10式戦車の車体ベースで作られた回収車があるそうですが、今回登場したのは90式戦車回収車という種類のようです。愛称はリカバリーと言うそうです。
今回は使われませんでしたが、動画でもわかるように大型のクレーンが搭載されており、戦車の重量でも釣り上げることができるようになっています。
この回収車で牽引して回収するようです。
回収作業開始!!
サイドスカート取り外し
戦車の搭乗員、回収車の搭乗員が10式戦車のサイドスカートを外しています。サイドスカートは側面装甲の意味合いがありますが、10式戦車の場合、それほど厚みはないものになっています。
それでも隊員の方と比べると、一枚一枚がかなり大きなものであることがわかります。
サイドスカートは上部がピンで止められているので、それを抜くことで外せるということです。
めくれ上がってしまった箇所のサイドスカートは外して、その他は上に上げて回収時に干渉しないようにしています。
履帯切り離し
履帯を連結しているピンの引き抜き作業をしているところだと思われます。
これは自転車やバイクのチェーンと同じく、ピンで連結しているようでピンを引き抜けば履帯を切り離せるようです。
自転車やバイクのチェーンの場合はチェーン切りという道具がありますが、履帯の場合は大きなハンマーで打ち付けて抜いていくのですね。
滑りを良くするためか潤滑剤を吹き付けている場面もあります。
履帯の回収と車体の牽引
履帯切り離しの作業が終わり、車体から履帯を引き離す作業に移ります。
ズルズルと履帯が引きずられていきます。とても人では動かせない重量なのでしょうね。
完全に車体から引き離せた後は、履帯を曲げて金属ロープに引っ掛けて戦車後部に結わえています。これで履帯も引きずっていくということなのですね。
すべての作業がおわり、回収車が引き上げを開始します。ここまでおおよそ1時間程度かかったようです。
履帯外れ〜回収までの動画
特に状況が分かりやすかった動画3本です。それぞれ撮影角度が異なるので見比べてみるのがいいかと思います。
履帯が外れたことへの10式戦車への批判
履帯は無理な急カーブなどをすると構造上外れやすいものだそうです。
今回は演習中でしたが、訓練中や、他国の例では実戦でも履帯外れはそこそこ起こるものだということです。
確かに、富士総合火力演習という大舞台で履帯が外れてしまったのは、ちょっと意外なのかもしれませんが、履帯が外れたからと言って10式戦車の能力が低いということにはならないそうですね。
むしろ、ガッチガチに外れないようになっている場合、車軸などに無理がかかり、さらに大きな損傷となり走行不能になってしまうことも考えられます。
擱座(かくざ・動けなくなったこと)した戦車は相手にとっていい標的になってしまいます。
軍事アナリストの小川和久さんも履帯外れに関してツイートされています。
10式戦車のキャタピラが外れた一件(8月23日総合火力演習)が話題になっている。しかし、これは恥ずかしいことでも何でもなく、戦場はもとより、実戦的な演習では時おり起きるトラブルで、敵の攻撃を避けながらただちに修理して戦闘に復帰する能力が問われる瞬間でもある。戦車の完成度も高まる。
— 軍事アナリスト 小川和久 (@kazuhisa_ogawa) September 30, 2015
今回の動画ではかなり時間をかけて回収作業をしており、「自衛隊は回収もモタモタしている」という意見もあるそうですが、どうもこれは後に履帯やその他の部品を再利用するために、使える部品はなるべく壊さずに回収しているからのようです。
というのも自衛隊は予算が決まっており、できるだけ無駄遣いをしないで兵器を管理する必要があります。
もし実戦だったら、部品が壊れても強引に回収車で引き上げるとか、履帯やサイドスカートを切ってその場で交換とかをするのだと思います。
動画でもサイドスカートは一枚一枚取り外し、戦車後部に積み込んでいることがわかります。
ある意味貴重な場面ですので、もしかしたら回収作業も見てもらおうという意図もあったのかもしれません。
まとめ
10式戦車は今のところ日本の最新式戦車で、今回のような履帯外れを目の当たりして「10式戦車は大丈夫か?」という心配の声や批判の声も出ているそうです。
しかし先にも述べたとおり、履帯外れ自体は珍しいことではないそうで、もし外れたとしても実戦ではもっと素早い回収作業になるのだそうです。
ですから10式戦車は弱いんじゃないかと心配する必要はありません。むしろ貴重な回収作業を見せてくれてよかったのかもしれませんね。