「不倶戴天(ふぐたいてん)」の意味は「同じ空の下に生きることができないくらい憎い」という意味。
「不倶戴天」の出典は「礼記」(らいき)で中国の周から漢の時代にかけて、儒学者が「礼」(儒学でいう道徳的な規範のこと)について書いた内容をまとめた書物です
不倶戴天の謂れ
この書物は49編からなっていますが、冠婚葬祭や出陣出兵、外交、国の儀式の制度などについて言及されている典礼上(もしくは曲礼上か)という編があり、その中の一節に
父の仇は、与に共に天を戴かず。兄弟の仇は、兵に反らず。交遊の仇は、国を同じくせず
(父親の敵とは同じ天の元で暮らせない。敵を果たすべきだ。兄弟の仇もあったらすぐに戦い決着をつけるべき。親友の仇と同じ国には住めない)
という内容があります。本来は「父親、肉親、友達の仇は討つべきだ」という内容だったのですが、転じて「生かしておくことの出来ないくらい憎い」事をあらわすようになりました。
不倶戴天の敵は生かしておけない敵ということですから穏やかじゃないですね。