「内憂外患(ないゆうがいかん)」は「内にも外にも憂いごと、心配が多いこと」を意味します。
出典は「春秋左氏伝」。孔子が書いたとされる「春秋」の注釈書(意味の解釈や注意点などをつけて読みやすくした書物の事)です。この書物の成公十六という章に以下のようなエピソードがあります。
晋が鄭との覇権をあらそう過程で楚と戦争を起こそうとした時に晋の范文子(はんぶんし)が「晋という国は国外が安定していると必ず内側に憂い生じてしまいます。むしろ楚と戦わずに外側の心配ごととして残しておいた方がいいはずです」と開戦回避を訴えた。
このときの晋は内紛の火種を抱えており、共通の敵や心配事が外に無いと瓦解してしまいかねない状況だったようです。
結局後に晋は楚と開戦することになりますが、范文子は実直で本当に国の為に働いていた人物だった為、死後も厚く遇されたとのことです。