「陶犬瓦鶏(とうけんがけい)」は「形ばかりで実際には役に立たない」という意味です。
出典は「金楼子(きんろうし)」。中国の南北朝時代の梁の第4代皇帝だった蕭繹(しょうえき)が著した書物です。
この書物の立言という章に
「生きている犬は番犬になるし、生きている鶏には鳴いて夜明けを教えるという役目があるが、作り物ではその役目を果たすことができない」
という内容があります。「陶犬」は陶器で出来た犬のオブジェのことで、「瓦鶏」は素焼きで作られたにわとりのオブジェのことです。
蕭繹は病気で小さい頃に片目を失明していますが、とても読書が好きで蔵書が10万冊あったなどという説もあります。
さまざまなエピソードを知っていたのでしょう。著書もかなり多いとの事です。その中でも金楼子は当時の社会情勢や思想を知るのに重要な資料との事です。