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崖の上のポニョにも出てくる!昔懐かし「ポンポン船」の仕組み

目次
  • 1:崖の上のポニョでも出てくるポンポン船
  • 2:どうして前に進むの?ポンポン船の仕組み
  • 2.1:ポンポン船のエンジンの中で起きている現象の様子
  • 3:音のならないポンポン船
  • 3.1:音の鳴らないポンポン船の材料と作り方
  • 3.2:注意点
  • 3.3:遊び方
  • 4:どうせ作るならやっぱり音のなるポンポン船
  • 4.1:音のなるポンポン船の材料と作り方
  • 4.2:注意点
  • 4.3:遊び方
  • 5:まとめ

崖の上のポニョでも出てくるポンポン船

宗介がおもちゃとして遊んでいるポンポン船。最後には乗れるほど大きくなって…っとネタバレになっちゃいますね。

このポンポン船、とても構造が簡単で、子供でも家庭にあるものを利用して容易に作ることが出来ます。

どうして前に進むの?ポンポン船の仕組み

ポンポン船は蒸気を利用して推進力を得ます。

水を温めると、いずれ沸騰して水蒸気になります。水蒸気は液体のときよりも非常に大きい体積になります。

一気圧100℃の条件では約1700倍の体積になるとされています。

つまり、一気に膨張するということですね。

ですから、水を閉じ込めて沸騰させれば、膨張して外に出ようとする力(主に水蒸気に追いやられた水が外に出ようとする)が生まれることになります。

ポンポン船のエンジンは、水を沸騰させる部分の他に、膨張して外に出ようとする水を出すための管があります。

この管の穴から、水蒸気に追いやられた水が勢い良く飛び出して推進力になります。

水が飛び出すと、水を沸騰させる部分は一気に圧力が下がります(負圧ともいいます)。そうすると今度は内側に水を吸い込む力が働きます。

水を吸い込むと、また吸い込まれた水が熱せられ、沸騰して水蒸気になり、膨張して、水が外に追いやられて…という動作を繰り返すことになります。

ですから水を熱する火(例えばろうそくなど)が消えない限り、推進力を得てポンポン船が動くことになります。

ポンポン船では水の出る管と水の入る管を分ける作りになっているものが多いですが、一つの管でも水を吐いて、吸ってという動作を繰り返すことになります(管が2本のときよりも効率はよくありません)

ポンポン船のエンジンの中で起きている現象の様子

水を吐き出したり、吸い込んだりする様子を試験管で実験してる動画がありましたので紹介します。(1分19秒あたりから)

動画を見るとわかるように、一本の管でもしっかりと水が出たり、入ったりしています。試験管の先端で水蒸気がポコッと生まれるたびに、ビーカーの中へ試験管の青い水が出ていることが確認できると思います。

音のならないポンポン船

工作が難しくなく簡単につくれる方法です。一本のパイプのみでエンジンを作る方法です。

ただこの方法ではポンポン船の特徴である「ペコペコ」という音が鳴らないのでちょっとつまらないかもしれません。

しかしポンポン船の仕組みが簡単に理解できるのでおすすめです。

音の鳴らないポンポン船の材料と作り方

    用意するもの

  • アルミパイプ(内径3mm✕30cm程度)
  • カッターナイフ(パイプを加工する)
  • 単3電池(パイプをコイル状に曲げるときに使う)
  • 船体になる空き缶詰(長方形や楕円になっているものがいい)や紙パック、木板など
  • 針金(エンジンを固定する役目1m程度の太さ)
  • 船体に穴を開ける道具(キリなど)
  • 燃料(ろうそく、固形燃料など)
  • セロハンテープ、両面テープ(燃料を固定する役目)
  • スポイト(パイプに水を満たす役目)

    あったほうがいいもの

  • カッターマット(机を傷つけないように)
  • 軍手(パイプ加工時に手を怪我しないように)

作り方はこちらの動画がとてもわかりやすいと思います。動画では空き缶詰を使っていますが、水に浮くものだったら牛乳パックかまぼこの板などでもOKです。工夫して工作してみてください。

注意点

あまり太いパイプだと、コイル状に巻くことが難しく、曲げたときに穴が潰れたりしてしまうかもしれません。

中の穴が3mm程度くらいのパイプがいいでしょう。使えるの素材としては、アルミ、鉄、銅など加工しやすい金属パイプであればOKです。

内径3mm程度のアルミパイプだと長さ30cmくらいのものが100円しないくらいだと思いますので、一番安いのではないかと思います。

通販で送料無料で販売しているところが見つかりませんでしたので、お近くのホームセンター等で購入してください。

以下はAmazonで見つけたアルミパイプですが、送料がかかる(本体価格よりも高いです)ようですのでご注意ください。

ダイソーなどの大型100円ショップでもアルミパイプや銅パイプを取り扱っているところもあるようです。

遊び方

遊び方は動画にあるように、まずパイプの中をスポイトなどで水入れて満たします。こうしないエンジンが空焚きになり、うまく水蒸気が発生せず推進力が得られません。

途中で空気が入ったりしても、エンジンの動作が止まってしまいますので、パイプの先端は確実に水中に沈むようにしてください。

ろうそくに火をつけると、すこしして船が進み始めます。音はなりませんが、まさしくポンポン船の完成です。

どうせ作るならやっぱり音のなるポンポン船

音の鳴らないポンポン船も簡単に作れていいのですが、やっぱりポンポン船というからには音を鳴らしたいものですよね。

ポンポン船の音は、水が押し出されたときに生まれた負圧によって、エンジンの加熱部分がへこむ時、また水が吸い込まれてエンジンの加熱部分が膨らむ時発生する音です。

さきほどの音の鳴らないポンポン船ではアルミパイプが堅い素材のため、目に見えてへこんだり膨らんだりすることはなく、音がならないのです。

ですから音を鳴らすには、それようのエンジンの仕組みにしなくてはなりません。

薄い金属板で作った加熱部分を作ることでへこんだり膨らんだりさせることが出来ますので、音が出るポンポン船にすることが出来ます。

この薄い金属はアルミの空き缶から材料をとることができます。ただ、アルミ版で密閉した加熱部分をつくるのが先程のパイプを用いた方法より、若干難易度が高くなります。

確実に加熱部分を密閉できないと水蒸気がもれて推進力が得られなくなり失敗します。

音のなるポンポン船の材料と作り方

    用意するもの

  • ストロー2本(水の排出・吸込する管)
  • 船体になる空き缶詰(長方形や楕円になっているものがいい)や紙パックや木板など
  • 針金(エンジンを固定する役目1m程度の太さ)
  • 船体に穴を開ける道具(キリなど)
  • 燃料(ろうそく、固形燃料など)
  •     

  • 耐水性接着剤、耐水性パテなど(加熱部分を密閉するための役目
  • セロハンテープ、両面テープ(燃料を固定する役目)

    あったほうがいいもの

  • カッターマット(机を傷つけないように)
  • 軍手(加工時に手を怪我しないように)

作り方はこちらの動画で紹介されています。参考にしてみてください。

またいろんなタイプのポンポン船を作って動かしている動画です。

注意点

動画を見る限り、加熱部分はあまり大きくしないで、小さめに作ったほうが効率が良さそうですね(水の排出・吸込の周期が早くなり安定しやすい)。

6管式のポンポン船がかなり力強い様にみえますね。多気管や小型化などにも挑戦されているので、参考にして工作してみると面白いと思います。

動画ではパイプにストローを使っていますが、もちろん金属パイプでもOKです。もしストローを使う場合は、火の当たる部分にあまり近くならないようにしてださい。ストローが溶けてしまいます。

密閉のために耐水性の接着剤を使いますが、加工部分を火の当たる部分からしっかり離せるのであれば、木工用ボンドや瞬間接着剤、グルーボンドなども使うことができます。また厚手の金属テープなどでも代用できますのでいろいろ試してみてください。

遊び方

こちらも先程と同じように、遊ぶ前にまず管と加熱部分に水を満たさないといけません。スポイト等で水をいれてから火を付けてください。

まとめ

ポンポン船のペコペコなる音はなぜか懐かしい気持ちにさせてくれますよね。世の中は内燃機関から、電気モータの時代になってきていますが、ポンポン船のような外燃機関の仕組みを知っておくとスターリングエンジンなどの仕組みを知ることににもつながります。

単純で簡単に作れますが、とてもおもしろい工作・実験ですのでぜひ挑戦してみてください。