「大器晩成(たいきばんせい)」は「偉大な人物は大成するのに時間がかかる」という意味です。
出典は「老子」。紀元前6世紀頃に生きた老子によって書かれた書物とされていますが、人物の実在性に関して諸説あり定かではありませんが、現在伝わっている書物の成立は紀元前6世紀より後ではないかとされています。
大方は隅無し。大器は晩成す。大音は聲希なり。大象は形無し。道は隠れて名無し。
(大きな四角形は遠すぎて角が見えない、大きな器は出来上がるまでに時間がかかる。大きな音は響きの全てを聞き取ることは難しく、大きな物は全体を捉えることができない。万物の摂理たる「道」もまた、人間の認識を越えているものだ。)
本来の意味としては諸説あり、「無限に大きい器は完成する事はない」という意味にとる説もあります。
少なくとも老子の原文上には、故事成語としての意味は希薄です。
しかし三国志の登場する崔琰という人が自分の弟が能力はあるのに冷遇されている様子を見て、この一節をたとえに励ましたというエピソードがあります。
おそらくこのエピソードから「偉大な人物は大成するのに時間がかかる」という意味として使われるようになったのではないかと思います。