壁掛けのテレビ台を自作してしまった強者が登場。
彼はイケアで買ったチープなテレビ台にテレビを置いていたそうですが、テレビが逆光で見にくかったそうで配置換えをしようと思ったそうです。そこでどうせならテレビを壁掛けにしてしまおうと思いつきました。
この工作の予算の内訳は80ドルが鋼材、80ドルが木材、その他のこまごました材料などを含めて200ドル程度掛かったそうです。
省スペースになり、なおかつとても美しくなったと自画自賛している彼でした。
これが配置換えをする前のテレビの状態。悪くはないですが、個性もないですし、普通ですね。
このテレビ台実はもう15年も使っているそうでガタついてきているとのことです。
まず壁に壁掛けテレビ台を支える基礎を作ります。これにはフレンチクリートを使用したそうです。
フレンチクリートとはくさび形同士で引っ掛けるような機構のことを指します。吊り下げる工作の際にはよく使われます。
壁に付けられた木材の上部がくさび形になっており、後ほど同じくくさび形の嵌め部品を付けたフレームを合わせます。
ボルトの頭は突き出さないように埋め込む形になっています。
次に山形鋼を使って鉄製のフレームを作成します。山形鋼はその名の通り、底辺がない△のような形の鋼材で、折り曲げに対して強度があります。今回は木材をはめ込むので、そのためのチョイスでもあります。
クリート部分を工作します。先ず背板をフレームに溶接します。強度確保のためにフレームには真ん中に一本鋼材を足しています。さらに先ほど用いた山形鋼をハンマーで打って、45度の角度にします。これを背板に溶接します。
そうするとクリート機構によりフレームがぶら下がるように設置することができました。
今度はライトの用意をします。テレビ台の裏から間接照明を照らしたかったそうで、これには接着剤付きの帯状LEDを使用することにしました。
LEDには接着剤が付いているので、そのままフレームの裏側に貼り付けます。ちょっと帯状LEDの位置調整に手こずったものの作業自体は簡単だったそうです。
今度は木材の加工を行います。この木材がフレームに嵌めこまれます。これには「ホワイトウッドS4Sパイン」という種類の規格材を使ったそうです。
後に染料で着色するために、木材の表面をヤスってなめらかにします。
木材を染料で着色しました。エスプレッソ色と説明があった染料を使ったそうです。
更に表面のコートをするために、オイルステインを塗布します。表面に艶が出るとともに保護層をつくることができます。
木材をフレームにはめ込んでいきます。ネジは背面から締めて、表面にネジ山などが出る事のないようにしたそうです。
木材のはめ込みが終わり、LEDライトコントローラを設置したら吊り下げのテストを行います。
この時点で重量は200ポンド(約90kg)になったそうです。とても一人じゃ持ち上げられないので友達を呼んで手伝ってもらおうかと思ったそうですが…。
良いアイデアを思いつきました。ジャッキを使って持ち上げて吊るす方法です。友達を呼んで飯を奢らなくても、作業が捗ります。
ジャッキ作業は妻と娘に手伝ってはもらったそうですが、無事テレビ台を吊るすことが成功しました。
これで壁掛け部分の工作は終了です。
次はビデオデッキ台を作成します。これも壁掛け仕様にします。先ほどと同じように山形鋼を使ってフレームを組んでいきます。
ビデオデッキ台は簡単に取り外し出来るように、マウンタを付けることにしました。テレビ台の時と同じように壁側にマウンタを取り付けそこにはめ込む形でビデオデッキ台を設置します。
マウンタを壁に取り付けたところです。ちゃんとコンセントに干渉しないように設計したそうです。またケーブルも隠れるように工夫されているとのこと。
ビデオデッキ台をはめ込んだところです。さらにLEDの点灯テストも行います。間接照明の様に光がテレビ台から出ていますね。
そしてテレビ台にテレビそのものを吊り下げる機材を取り付けます。これはアマゾンで購入したそうです。
液晶テレビは軽いのでテレビの吊り下げ作業は容易かったとのこと。この時点でスピーカユニットも取り付けました。さらにケーブルの取り回しのために木材に穴を開ける工作を行いました。
ビデオデッキ台にも木材をはめ込みます。
前面は目隠しになるように開き戸にすることにしました。
先ほどと同じように、木材を着色します。統一感を出すためにテレビ台と同じ染料、オイルステインを使います。
出来上がったビデオデッキ台を設置します。
これでビデオデッキ台も完成しました。
最終的な完成図です。最初の状態と比べると雲泥の差ですね。まだバックライトなどの調整をしたいそうですが、現状でもとても気に入っているそうです。確かに完成度高いですね。
作成主は(アメリカらしく)溶接の技術や、工作スペースを持っているのでこのような大掛かりな工作もできてしまうのでしょう。
日本だと作業スペースを確保するのも大変かもしれませんが、結構格好良いテレビ台に仕上がっていますので、工作趣味の人は挑戦してみてはいかがでしょうか?