カメラ撮影時の基本的なライティング方法とその効果をまとめた画像です。
24種類ものライティング方法を知ることができ、ライトのセッティングやモデルの立ち位置に関して学ぶことができます。
レンブラントwithソフトボックス
最初のライティングは1つのフラッシュに20インチのソフトボックスを用いた方法です。ストロボスタンドを調整して少し高い位置からモデルの斜め右に光を当てています。
ソフトボックスとは半透明の膜がついた四角い傘のような機材です。名前の通り、ストロボにこのソフトボックスを被せることで光が拡散し、光の調子が柔らかくなります。
一方向のライティングなので、左側に影は出来ていますが、それほどハードな影にはなっていません。
コツとしてはモデルの頬とライトとカメラを結ぶ線が三角形になるようにすることだそうです。
このライティングでは鼻の影が、唇の端に向かって伸びているようになっているのが正しいのだそうです。
レンブラントwithスルーブロリー(トランスルーセントアンブレラ)
先ほどのソフトボックスを使ったセッティングと位置関係は同じですが、こんどはソフトボックスの代わりに「through a brolly」を使用しています。日本ではトランスルーセントアンブレラと呼ばれています。
コツは先程のライティングと同じく三角形をつくること。
こちらも半透明の素材で出来ていますが、ソフトボックスと比べるとより影が柔らかくなります。
レンブラントwithハニーコンボ(ハニカムグリッド)
こちらはストロボにハニーコンボを取り付ける方法です。日本ではハニカムグリッドと呼ばれています。
位置関係は今まで紹介した方法と同じです。
このハニカムグリッドは光に指向性を与えるために使われます。
ソフトボックスやトランスルーセントアンブレラを使ったライティング方法と比べると、ほとんどモデルだけに光があたり、背景に光が回っていないのがわかるかと思います。
陰影がはっきりとするので、ドラマチックな画面にしたい時にはいい方法でしょう。
レンブラントwithシルバーブロリー(シルバーアンブレラ)
こちらはシルバーブロリーという機材を使います。日本ではシルバーアンブレラと呼ばれています。
この機材は先ほど出てきたトランスルーセントアンブレラと形は似ていますが、機能が違います。
シルバーアンブレラの内側には銀色の素材がはられており、光を反射するようになっています。。
ストロボをモデルとは反対方向に向けて、このシルバーアンブレラに反射させることでモデルに光を当てます。
ストロボの強い光が反射によって弱められ拡散するので、背景にもモデルにも柔らかい光が届くことになります。
より光の届く範囲を広げたい場合にはこの方法が適しているとのことです。
レンブラント風その1
ソフトボックスを使った方法で機材の位置関係は同じですが、よりモデルをライト側に向かせたセッティングです。
この方法では、カメラの向かっている側に影ができます。
撮影された画像をみると確かにレンブラントの絵画を思い起こさせる効果がありますね。
レンブラント風その2
先ほどのレンブラント風その1とは逆の方向からソフトボックスを使ってストロボを当てています。
またモデルはほぼカメラに正対しているくらいで、ちょっとだけ右斜めに向いています。
影の印象がガラッと変わります。
スプリット
こちらはソフトボックスを用いたストロボをモデルのほぼ真横から当てるセッティングです。ライトの高さはモデルの頭と並行にします。
鼻筋から向こう側にはほとんどライトが当たらず、影に埋もれます。顔の半分だけが浮き上がるような画面が得られます。
スプリットwithフィル
先ほどのセッティングにフィルを足したバージョン。フィルは日本語ではリフレクト版と呼ばれます。
ライトに正対するようにリフレクト板を置くことで、光が反射され、顔全体に光が回ります。
スプリットショート
こちらはスプリットのセッティングにて、モデルの向きをライトに若干向ける方法です。
スプリットブロード
スプリットショートのライトが逆方向バージョンです。
キーwithア・クロース・ソフトボックス
ソフトボックスを使ったライティングですが、こちらはライトがよりモデルに近くなっています。
説明ではソフトボックスの位置はモデルから2フィート(約60cm)にするとのことです。
このライティングより、鼻から出来るの影が柔らかくなります。
キーwitア・ファー・アウエイ・ソフトボックス
先ほどのキーwithア・クロース・ソフトボックスとは異なり、ソフトボックスの位置をモデルから離したセッティングです。6フィート(180cm)以上離すようにするとのことです。
こちらは影がハードになります。
ループ
モデルとライトが作る三角形を鋭角な三角形にするセッティングです。モデルはカメラと正対しています。
鼻からの影が口角へ向かうようなループを形作るようにセッティングするのが正しいとのことです。
バタフライ
ライトをモデルと正対させるセッティングです。このセッティングでは鼻の下にできる影が、唇にかぶりません。
フラットライト
こちらはソフトボックスを2つ使ったセッティングです。モデルとソフトボックス2つが正三角形になるよう位置を調整します。
ライトはモデルの頭の高さにします。濃い影はほとんどなくなり、全体にフラットな印象の画面になります。
バーガー
こちらもソフトボックスを2つ使ったセッティングですが、先ほどと違うのは、ソフトボックスがモデルの後ろ側から当てられることです。
光が後ろから回り込みますので、顔の正面のラインに影が生まれます。
この方法はフェイスラインがはっきりとします。男性モデルを撮影するときに用いると良いそうです。
クラムシェル
1つのソフトボックスをモデルの頭と同じ位の高さで、正対させセッティングします。さらにもうひとつのソフトボックスをその下に同じ距離でセッティングします。
あおった光がモデルに射すことになりますので、美しい結果が得られるとのことです。
ループwithア・バックグラウンドライト
セッティングはループとほぼ同じですが、違う点は、背景に別途ストロボを当てることです。
背景に当てるストロボはモデルの真後ろにセッティングします。
背景に良好なグラデーションが得られます。
ループwithア・リムライト
ループwithア・バックグラウンドライトとセッティングは似ていますが、背景に当てていたストロボをモデルの真後ろに当てます。
このストロボにはハニカムグリッドを装着し、光に指向性を与えます。
このライトのおかげでモデルの輪郭にライトの筋が出来るため、形がくっきりとします。
ハイキー
ループwithア・バックグラウンドライトのセッティングに、リフレクト板を追加したセッティングです。
ほとんどの方向から光が入るので非常に明るい画面を作ることが出来ます。
キーandフィル
こちらは1つのソフトボックスをループの時と同じ様にセッティングし、もうひとつのソフトボックスは少し離した位置に逆側にセッティングします。
この方法では近い方のライトによって出来る荒々しい効果を、離れた方のライトが柔らかい調子に変えるため、全体的にフラットでやさしい調子になります。
先ほどのキーandフィルに髪を照らすストロボを追加したバージョンです。髪用ラストロボにはナローアタッチメント(光の出口が狭くなる器具)とハニカムグリッドを取り付け、髪に限定的に光が射すようにします。
髪に光が反射することで、艶を表現することが出来ます。
ハードキーwithキッカー
バーガーのセッティング、前からのリフレクターストロボを追加したバージョンです。
カラードゲル
カラーセロファンを使った例です。モデルや背景に光による複雑な色を表現したいときに用います。
以上24の基本的なライティング手法でした。プロでなくとも、人を撮影するときに思い出してもいいかもしれません。
もしかしたら良い写真が撮れるかもしれませんよ。