Torとは
Tor(トーア)は海外を何重にも経由してIPアドレスを相手に知られることなくインターネットに接続したりメールを送信したりできる匿名の通信システムです
またTorブラウザーはTorの通信システムにアクセスし、匿名性を高めインターネットを閲覧するためのブラウザです。
Torは、米海軍調査研究所(NRL)が開発した通信システムが発端となっています。このシステムをベースにオープンソースにて改良を施され現在に至っています。
IPアドレスの追跡が困難になる仕組みから犯罪や違法性の高い情報の扱う人、違法サイト運営などに利用さることが多いようです。
Torの仕組み
接続元のIPアドレスを隠す目的で世界中のサーバーを迂回させ、自分のIPアドレスの前にいくつもの別のIPアドレスが存在する状態を作り出すことで、匿名性を確保しています。
つまりアクセス元をうやむやにしてしまうシステムなのです。
Torブラウザのダウンロード・使い方
犯罪に使われることもあるTorですが、Torを使うこと自体はまったく犯罪ではありません。
Torブラウザは下記のサイトからダウンロードができます。Torブラウザは必ず公式サイトからダウンロードしてください。
マルウエアなどが仕込まれたTorブラウザを配布しているサイトも散見します。
Tor Browserダウンロード先
https://www.torproject.org/download/download-easy.html.en
ダウンロードしたファイルを解凍して、できたフォルダにあるStart Tor Browser.exeを実行すると以下の画面になります。
Connectをクリックすると数秒から数十秒ほどで、Torブラウザが立ち上がります。
このブラウザでアクセスするとIPが秘匿されますので、匿名性の高いアクセスが可能になります。
Torブラウザでgoogleにアクセスするとロシア語で認識されていますね。この通信ではロシアのサーバを経由したようです。このように日本からのアクセスとはみなされなくなっていることがわかります。
Torの使いドコロ
IPアドレスを残したくない通信、例えばあまりおおっぴらには言えない趣味の情報交換や、掲示板へ書き込みなどです。
通信速度が遅くなる・利便性は高くない
Torは仕組み上、サーバを何重も経由しているため通信速度は遅くなる傾向があります。
Googleからは「異常なアクセス」として認識される可能性がありますし、海外サーバを経由するため国判別をしているようなサイトでは、日本語で表示されなくなってしまう場合があります。(上記画像が一例)
匿名性が完全ではない
現在ではTorの匿名性はすでに完全ではなく、アメリカなどではTorの通信を解読に成功していて、監視状態にあると言われています。また実際にTorを使った犯罪行為で逮捕者が出ています。
日本でもTorが犯罪で使われる可能性があり対策が必要という有識者の提言で、Tor経由のIPアドレスからアクセスがあった場合には通信を遮断するなどの対策を推奨する動きがあります。
ダークネットの存在
Torの高い匿名性を利用して犯罪を行うものがおり、Torブラウザ経由でしかアクセスできない違法サイトが存在しています。
違法に得た情報の売買、スキミングしたクレジットカード情報の売買、武器の売買、違法ポルノの流通、違法カジノの経営、麻薬の売買、ハッキングツールのホスティング、さまざまな海賊盤のホスティングなどなどのサービスがあるとされています。
このような違法で秘匿されたサイトはダークネットを呼ばれており、2000年代後半から規模が拡大してきたようです。
しかし先に説明したとおり、通信の解読が成功している為、これらの違法ダークネットも監視・摘発の対象になっているものと思われます。
Torブラウザを使うことでこれらのダークネットにつなげることは容易ですが、あまり面白半分にアクセスすべきではないでしょう。
まとめ
Torを使った犯罪では過去に、誤認逮捕が発生したパソコン遠隔操作事件が有名ですよね。最近でも児童ポルノなどをホスティングしたりした件で逮捕者がでています。
Torの匿名性は使い方によっては有益な面もあるすばらしい技術ですが、残念ながら犯罪の温床になってしまっているのがもったいですね。
やはり技術は使う人のモラルが重要ですね。