「竹頭木屑(ちくとうぼくせつ)」は「つまらないものでも何かの役に立つことがある」という意味です。
出典は「世説新語」。
中国の南北朝時代の宋に生きた劉義慶が編纂した、後漢末から東晋までの著名人の逸話を集めた小説集です。
この書物の政事編に以下のようなエピソードがあります。
晋の陶侃(とうかん)が、船を造っていました。その時に出た、竹の切れはしや木のくず等の普通なら廃棄してしまうようなものをとっておき、木のくずは雪の降ったとき道に撒いてぬかるんでしまうのを防いだり、竹の切れはしは竹の釘として、船の修理に使った。
「竹頭」が竹の切れ端、「木屑」が木くずの意味です。
今で言うところの廃物利用ですから、エコだったのですね。
陶侃は東晋の大司馬(今で言う国防大臣で兵馬を統率する役職)なので、かなり偉い人だったのですが、職務一筋の人でとてもまじめだったようです。
そういう人だからこそのエピソードといえるかもしれません。