満月になると日本では月の模様がウサギに見えるといいますよね。
でもそういえば月はウサギの面しかみたことがないですよね。なぜ月は同じ面がずっと見えているのでしょうか?
月は自転していないの?
同じ面しか見えないということは、月は自転をしていないのでは無いかと考えてしまいますよね。
しかし、もし月が自転していなくても、同じ面だけが見える理由にはなりません。
というのも月は地球の周りを回っているので(公転)、どこかの時点で月の別の面が見えてしまうのです。
下記の図をご覧ください。
月が公転していく過程で地球から見える月の面がどんどんずれていくことがわかるかと思います。
このように自転をしていないということでは説明がつかないのです。
月の公転と自転の関係に秘密がある
実は月は自転をしています。しかし、地球の自転のように速くはないのです。
月の自転は公転1回転あたり、1回転するだけです。地球の場合は公転1回転で約365回も回る(つまり1年)ので非常にゆっくりな自転だと言えます。
公転1回転に自転1回転するとなぜ同じ面だけがみえるのでしょうか?
イメージしにくいと思いますので、図にしてみました。
月の公転に合わせて、月の自転がそのようになるのかがお分かりいただけるかと思います。
不思議なことに、自転が公転でずれた面を修正しているような働きをしているのです。
こういった動きのため、地球から月を見ると同じウサギの面しか見ることが出来ません。
実際にNASAが撮影した月の裏側から地球方向を見た画像を連続して動画にしたものが公開されています。
確かに裏側から見ても月がブレていないことがよくわかるかと思います。
衛星の安定度
このように公転と自転が釣りあう衛星はとても安定している状態だと言えるのだそうです。
月もできたての頃は自転がもっと早かったと考えられますが、徐々に安定して自転がゆっくりとなり、今の状態になったようです。
もしかしたら地球からも月の裏側が見える日もあったのかもしれません。
ちなみに月の裏側には大クレータがあり、ちょっと不気味な感じです。
以下は月周回衛星かぐやが集めたデータから作られた月の3D画像です。月の裏側もみることができますよ。