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ちょっと不思議な放射冷却の仕組み

  • 2016/08/19 14:03:20
目次
  • 1:熱が伝わる仕組み
  • 2:熱が伝わる仕組みのもうひとつの理由
  • 3:放射冷却で起きる気象現象
  • 4:おまけ
  • 5:まとめ

天気予報でよく「放射冷却で…」と聞きますが、この放射冷却とはいったいどういった現象なのでしょうか?

熱が伝わる仕組み

「放射」とは少し難しいですが、電磁波の放出のことを指します。難しく考える必要はありません。

例えば、やかんでお湯を沸かすとします。沸騰したあと火止めてそのままにしておくと、いずれやかんは冷めてしまいますよね。

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普通、熱はなんらかの物体を介して伝わるイメージがあるかと思います。

やかんが冷めるのは、やかんの周りの空気などに熱がつたわって、次第に熱が奪われていくからというイメージがあるかと思います。

このことを熱伝導と言い、熱が伝わる理由の1つです。

熱が伝わる仕組みのもうひとつの理由

しかし実は熱が伝わる仕組みにはもうひとつ理由があります。

それが熱放射です。

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熱放射とは熱が電磁波として放射されることを言います。

熱を持っている物体は多かれ少なかれ熱放射を行っています。

もちろんやかんも熱放射を行っています。

熱放射は高い温度であればあるほど強くなります。つまり周りより温度が高ければよく熱放射を行うことになりますし、温度が低ければ周りから熱放射を受けることになります。

やかんが熱いうちはやかんからの熱放射が盛んで、周りの物体が熱放射を受け取ることになります。

やかんが冷めると、今度は冷めたやかんよりも熱い物体から少なからず熱放射を受けます。

このように物体は熱放射を出したり、受けたりしています。

気象現象としての放射冷却

さて気象現象としての放射冷却の仕組みです。

実は太陽の熱も熱放射です。宇宙空間は真空ですから電磁波でなくては熱が伝わりません。

地面は空気や水よりも温められやすい、つまり熱放射を吸収しやすい性質があります。

そのため太陽の熱放射がたくさん降り注ぐ昼間、地面はどんどん熱されます。

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夜になると太陽の熱放射がなくなるので、熱しやすかった地面は周りに比べ熱い状態になります。

そこで地面からの熱放射が活発になります。

もしこの時、雲があると熱放射のやり取りが地面と雲の間でも行われるので、地面の熱が下がりにくくなります。

地面が熱放射して冷えると、今度は雲からの熱放射を受けるのですこし暖まるという感じで温度のやり取りができるからです。

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しかし雲がなく晴れていると、地面の熱放射は宇宙空間に飛んでいってしまいます。

つまり地面は熱放射をもらえず、自分からは熱放射を行う為にどんどん冷えてしまうのです。

こうして地面がカキンカキンに冷えてしまう現象を放射冷却と言います。

放射冷却で起きる気象現象

放射冷却が起きると、上空より地表面付近の空気が冷える接地逆転層という状態になります。

湿度がある程度ある場合には、地表面の空気の温度が露点温度を下回り、水蒸気が水滴になるため、霧が発生する場合があります。

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この霧のことを放射霧と呼ぶ場合があります。

また地表面付近が0度を下回ると霜が降りる原因にもなります。

森や林では樹氷の生成原因にもなります。

おまけ

放射冷却はその名称から寒い時期のものと思われがちですが、放射自体はいつでも起こっていますので、どの季節でも放射冷却になりえます。

夏でも明け方などに他の時間帯より涼しくなる場合がありますが、これは放射冷却です。

地面から熱放射が行われる夜の時間の長さに関係してきますので、夜の長い冬がより冷却されます。

まとめ

  • 放射冷却は物体からでる熱放射が原因となる現象
  • 熱された地面からの熱放射が行われると放射冷却になる場合がある
  • 雲がある場合は地面と雲のあいだで熱放射のやり取りがあるのでそれほど冷却されない
  • 晴れている場合は地面からの熱放射は宇宙空間へいき地面はよく冷えることになる
  • こうして地面が冷えることで地表面の空気の温度が下がる現象が放射冷却