「生殺与奪(せいさつよだつ)」は「生かすも殺すも思いのままで、絶対的な権力があること」を意味します。
出典は「荀子」。中国の戦国時代の思想家(儒学)である荀子(じゅんし、紀元前313年? – 紀元前238年?)が書いた書物です。
荀子の書いた書物は後年、「孫卿新書」という本にまとめられ、さらに唐の時代に「荀子」として編纂されています。
現存する「荀子」は正確には注釈本です。
この書物の王制編に以下のような一節があります。
「貴賤、殺生與奪、一なり」
(身分の上げ下げや、殺ろすも生かすも与えるも奪うも、全く反対な社会上の大規制も根本は一つである)
この一節の「殺生與奪」が「生殺与奪」の元になったとされています。
荀子は「性悪説」を唱えた思想家として有名です。
人の欲望は限りないので制御しないといけないという思想で「礼」を尊びました。
その後弟子の韓非や李斯が「礼」を発展させ「法」によるコントロールを説き、実践していきました。