「蛙鳴蝉噪(あめいせいそう)」は「うるさいだけで役に立たない議論や文章」を意味します。
出典は中国北宋代の政治家であり詩人だった蘇軾の詩から。(蘇軾は別名、蘇東坡(そとうば)とも呼ばれ、唐宋八大家の一人です)
「出都来陳所乗船上有題小詩」という詩集に
蛙鳴青草泊 蝉噪垂楊浦
(蛙は鳴く青草の泊、蝉は噪ぐ垂楊の浦)
と詠まれています。
垂楊は柳という意味です。
情景を詠った情緒あふれる詩ですが、どのような経緯で「うるさい」という意味で使われる四字熟語になったのかは不明です。
もしかしたらかえるの声もセミの声も古代中国では騒音だったのかもしれません。
あまり使われているところを見たことがないですが、語幹はつるっとしていてなかなか言ってみたくなる言葉です。