「疑心暗鬼(ぎしんあんき)」は「疑う心が強く、どのようなことでも不安や恐怖を感じてしまう」という意味です。
出典は春秋戦国時代の列御寇という人物(実在は疑問とされています)が書いたとされる道家思想の書物である「列氏」です。
(宋代中国の学者であり詩人だった呂本中(りょ ほんちゅう、1084年 – 1145年)の著書「師友雑志」であるという説もあります)
疑心暗鬼の謂れ
この本には注釈がつけられているのですが、ある男が斧をなくしたというエピソードについての注釈に
「疑心、暗鬼を生ず」
という言葉が出てきます。
エピソードは斧をなくした男が隣に住んでいる息子が盗んだと思い、息子の言動全てが疑わしくなってしまったのですが、結局斧は山に置き忘れていただけで、見つかってからは息子が怪しいと思うことはなくなったという話です。
怪しいと思うと事実でない事まで考えたり想像したりしてどんどん深みにはまります。
「暗鬼」は「暗闇に鬼がいると思い込む」という意味で、疑う心がありもしない話を生み出すことから、「疑心暗鬼(ぎしんあんき)」は「疑う心が強く、どのようなことでも不安や恐怖を感じてしまう」という意味になりました。