近年ではパソコンに搭載されるストレージはSSDであることが多くなってきました。出始めの頃は価格も高く、容量も少なかったですからね。
SSDの魅力はなんと言っても速度。HDDの数倍から数十倍の読み書き速度がでます。ですからOSの起動が早くなったり、バックアップが一瞬で終わったりといろいろ恩恵があります。
しかしSSDはなぜHDDよりも速いのでしょうか?SSDの仕組みを追ってみたいと思います。
SSDはUSBメモリと同じ?
http://www.logitec.co.jp/data_recovery/column/vol_004/
実は見出しのとおり、SSDは構造的にUSBメモリとよく似ています。
ですのでSSDの仕組みを知る前に、USBメモリの仕組みに寄り道しておきましょう。
USBメモリの構造は以下の図のような感じです。
USBメモリコントローラが読み書きのコントロールを行っています。OSとやり取りをしている場所ですね。
そしてNAND型フラッシュメモリというメモリチップがデータを記憶する場所です。
このようにUSBメモリは構造が単純です。もし容量を増やす場合はフラッシュメモリチップを直列様につなげることで増やせます。
ところがにSSDもNAND型フラッシュメモリチップを記憶装置として使っています。
でもUSBメモリってぜんぜん速くないですよね?
これには仕組みがあって、SSDではフラッシュメモリチップ自体の性能・速度を上げているのではないのです。
速さの秘密その1 並列化
SSDの場合、フラッシュメモリを「並列化」してつなげています。
同時にいくつかのフラッシュメモリチップに同時にアクセスできるように設計されているのです。
ですからUSBメモリでは一個ずつしか読み書きできなかったデータを、SSDは並行して読み書きすることができるのです。
これがSSDの速さの秘密です。
この仕組みはストレージを高速に読み書きさせるRAIDシステムのRAID0によく似ています。
RAID0では例えば2つのHDDを用意して、同時に読み書きします。このことで単純計算で2倍の速度が出せます。
この仕組みと同じでSSDもフラッシュメモリチップを並列化して速度を出しています。
速さの秘密その2 SDRAMの使用
NAND型フラッシュメモリは仕組み上、データが書き込まれている場所に上書きができません。
そのため、一度消してから書き込むという回りくどい書き込み方法を行う必要があります。そのため書き込み速度が遅くなります。
書き込み速度を落とさないようにするため、高速に書き込めるSDRAMを搭載して、一旦そこに書き込んでからフラッシュメモリに書き込む仕組みがあります。
SDRAMはパソコンのメインメモリにも使われているメモリで非常に高速で読み書きできます。退避してコピーするような感覚ですね。
こうすることでフラッシュメモリの書き込みの遅さをカバーしています。
まとめ
最近ではこのSSDコントローラチップもフラッシュメモリもSDRAMも技術進歩によりどんどん安くなっています。
USBメモリも数百円で買えますし、SSDも数千円で買えるようになってきました。
最近ではHDDを端から積んでいないパソコンも多く見かけるようになりました。
SSDはもっと低価格化・大容量化していくんでしょうね。
速いことは良いことです。