中耳に粘液が溜まるタイプの中耳炎を滲出性中耳炎と言います。
熱がでたり、耳の聞こえが悪くなったり、耳の奥が痛い、めまいが起きるなど意外と辛い症状がでる病気です。
耳の構造 中耳ってどこ?
耳は外耳、中耳、内耳に分かれますが、鼓膜の奥の空間が中耳です。この中耳では鼓膜から音の振動を伝える3つの小さな骨があったり、気圧調整を行ったりする耳管があります。
By BruceBlaus. When using this image in external sources it can be cited as:Blausen.com staff. “Blausen gallery 2014”. Wikiversity Journal of Medicine. DOI:10.15347/wjm/2014.010. ISSN 20018762. (Own work) [CC BY 3.0], via Wikimedia Commons
中耳炎になると…
なんらかの原因で耳管などからバイキンが入ると、中耳内でバイキンが増殖し中耳炎になることがあります。炎症が進むと周りの組織から透明な粘液が染み出してきます。これが滲出液です。もともとは血液の成分だったものが滲み出すので滲出液と呼ばれます。
耳管の働きがあまりよくないと、この滲出液が排出されずに中耳に溜まり続けることになります。そうすると振動がうまく伝わらなくなったりするので、耳の聞こえが悪くなります。
また滲出液はバイキンの繁殖を促してしまうので、中耳炎がひどくなってしまいます。
こうなると耳管をしっかり開かして滲出液の排出をしなければならず、うっ血除去薬や抗ヒスタミン薬で耳管の開きを促します。また耳管に空気を通して耳管の開きを促す方法もあります。
そして最終手段としては、鼓膜を切開してバキュームで滲出液を吸い取る治療があります。
滲出液をすいとっちゃえ!!
以下は海外のお医者さんが公開している鼓膜切開法による滲出液の除去治療の様子です。
出血の様子などは出てきませんので、おそらく誰でも見れるかと思いますが、とはいえ手術の動画ですので苦手な方は閲覧を避けてくださいね。
まずは鼓膜を切開するのですが、その前に特殊な薬剤を鼓膜に塗ります。これは鼓膜が想定以上に裂けないようにするための処置です。
切開位置に薬剤を塗ったら、細い針状のメスで切開します。映像では大きく見えますが、鼓膜の大きさは1cmに満たないので、この切開も数ミリ単位の施術です。
切開ができたら、さっそくバキュームで中耳に溜まった滲出液を吸い取ります。ねばねばとした透明の液が吸い取られているのがよく分かりますね。
吸い取っていくと、張っていた鼓膜のテンションが緩んできていることがわかります。カメラが切開位置に近づきますが、滲出液の大部分は取り除かれたようです。
動画はここまでですが、一般的にはこの後、この切開位置に丸い小さなチューブを取り付け、中耳内に空気が通るようにして滲出液をおさえるようにしたりします。
まとめ
しかし、あんなにねばねばした粘液が中耳に沢山たまっているかと思うと早く治したくなりますよね。
滲出性中耳炎の治療方法については医師の診断によって異なりますので、必ずしも鼓膜切開が行われるわけではありません。現在では投薬治療が多いようです。