2000年も昔にコンピュータがあった…。
と聞いたらみなさんは疑うかもしれません。しかし、紀元前にはすでにかなり精巧なアナログコンピュータが存在していたようなのです。
オーパーツとも名高い「アンティキティラ島の機械」です。オーパーツというとオカルトの話でちょっと眉唾ものも結構あるのですが、この「アンティキティラ島の機械」はガチの正真正銘の本物です。
1901年にギリシャのアンティキティラ島の近くで沈没していた船から歯車などがついた機械のような物が引き上げられました。
アンティキティラ島の場所は以下です。
引き上げられた部品は大小さまざまですが、大きい部品としは3つです。
青銅製なのでかなりサビに覆われていますが、一番大きな部品には歯車っぽい部品は確認できますよね。
この部品の裏側です。
その他の部品もなにやら機械っぽい感じ。
世界初のコンピュータ?
発見当初はその正体が全くわからず、考古学研究的にはほとんど重要視されていませんでしたが、少しずつ興味をもった研究者によって調査がなされ、非常に精巧な機械であることはわかってきました。
研究の結果、この機械は天体運行をシュミレーションするための小型機械でした。これほど精巧な作りは10世紀ごろまで現れておらず、18世紀ころに盛んだった時計制作とも遜色ない技術水準だということです。
精巧な計算ができるのでこの機械はアナログコンピュータと読んでも問題ないと言われています。
まさに時代にそぐわない物=オーパーツということなんですね。
機械には大小37枚の歯車が複雑に組み合わされており、おもに太陽と地球と月の動きを再現できるようになっています。
月食や日食、月の満ち欠け、それぞれの位置、黄道十二星座などのシュミレーションができます。
図を見ても、複雑すぎてちょっと訳がわかりませんよね…。歯車の動きをCGでシュミレーションした映像がありましたのでこちらをご覧ください。
また機械に記されていた文字を解読すると火星や水星などの天体に関しての記述があり、この機械にもそれらの天体運行をシュミレーションする機能を搭載できた可能性が十分にあったことがわかっています。
以下はアンティキティラ島の機械を復元したものです。
おそらく前側。
こちらは後ろでしょうか?
側面はこんな感じ。
別な復元機械。
使用目的は?
使用目的としては、機械が携帯可能な程度に小型であることや、使用説明書があること、日食など航海には必要の無い情報をシュミレーションできること、錆びやすい素材であることなどから、陸地で個人的に天体運行のシュミレーションを行うためのものだとされています。
天体運行は占星術などとも関わりますし、天体運行の結果の季節は農業に深く関係があります。
使用目的はさまざまあったかもしれませんが、持ち運びできるということを考えると、かなり生活に根ざした要素をシュミレーションするための機械なのではなかったと思われます。
まとめ
個人で携行できるということから、もしかしたら世界で初めてのラップトップコンピュータだったのかもしれません。
もしかしたら昔の人も、新しい機械がでたら行列をつくって買いにいっていたのでしょうか?