台風と認定されるのは熱帯低気圧の強さもありますが、熱帯低気圧の存在している場所も関わってきます。
台風と認定される範囲についてはこちらの記事を参照してみてください。
【位置が違えば】台風が台風と呼ばれる範囲とは?【名前も違う】
記事の通り、東経180度を境に熱帯低気圧が台風であるかハリケーンであるかが変わります。
越境台風の意味
東経180度以東つまりアメリカ側で発生した(ハリケーンと認定されたりした)熱帯低気圧が移動して、東経180度線をまたいで西側にくると台風と呼び名が変わることがあり、これを越境台風と呼びます。
越境台風は数があまり多くはなく、日本列島に上陸した例もごくわずかです。現状では離島を除いて日本に上陸した越境台風は2例しかありません。
その2例は今のところ以下です。
平成9年台風第19号 国際名オリーバ(Oliwa)
記録史上初めて日本に上陸した越境台風とされています。
経路はこちらでご確認ください。
1997年9月4日、東経180度線のすぐ近くのマーシャル諸島の東側で発生した熱帯低気圧がハリケーンとなりましたが、発生して直後に東経180度線を越境したため台風と認定され、越境台風となりました。
妨げるものの無い太平洋上を西進するうちに、9月11日には中心気圧が915ヘクトパスカル、最大風速50m/sとなり、大型で非常に強い台風となりました。
この越境台風は勢力を保ったまま九州南海上に停滞した為に、暴風雨が長時間九州を襲いました。
かなり遠くの海で発生しているにもかかわらず勢力を保ったまま進行してくるのがすごいところです。
平成27年台風第12号 国際名ハロラHalola
この台風の経路はこちらでご確認ください。
2015年7月13日、ハワイ諸島南西で発生した熱帯低気圧が、東経180度線を越境して、台風と認定され越境台風となりました。
この台風は勢力を強めながら西進をしましたが、進行した海域の水温が低くなった為に弱体化、7月18日には南鳥島近海で一度熱帯低気圧に戻りました。
しかし西進を続けるうちに、再び勢力を取り戻し7月20日に再度台風となりました。
7月23日にはフィリピンの観測域に進入し、7月25日には沖縄県の南大東島、ついで鹿児島県の奄美群島接近しました。
7月26日には長崎県西海市付近を通過し、佐世保市付近に上陸しました。
この頃にはすでに勢力が弱まっており、26日中に対馬海峡付近で熱帯低気圧になりました。
この台風は「越境台風・復活台風・上陸台風」となった記録史上初の台風とされています。
まとめ
地球の気象条件が変わってきているのか、最近では越境台風の発生が多くなっているとも言われています。
もしニュースや天気予報で越境台風と聞いたら、随分西からやってきた台風なんだなと思い出してみてください。