最近ではハードディスクに代わりSSDを最初から搭載しているパソコンも珍しくなくなりました。
SSDは非常に高速で、パソコンの性能改善を感じやすい部品です。
しかしSSD(ソリッドステートドライブ)は壊れやすいと言われます。
ハードディスクと違って稼働部品が無いのになぜ壊れやすいのでしょうか?
SSDが壊れやすい大きな理由
SSDにはフラッシュメモリが使われています。近年ではNAND型フラッシュメモリチップという種類が用いられていることが多いかと思います。
NAND型フラッシュメモリは仕組み上、書き換えに上限回数があります。つまり書き込みをしている内に壊れる場合があるのです。
SSDが壊れやすいと言われるのは書き込みに理由があったのです。
書き込みで壊れるとは?
フラッシュメモリは半導体で作られています。半導体の仕組みは複雑なのでここでは、簡略化して説明します。
NAND型フラッシュメモリは以下のような構造をしています。
大まかに言うと、浮遊ゲートというものがありここに電子を出し入れすることで、0か1かを判断できるような仕組みになっています。
0か1かを判断できれば情報を蓄えておくことが可能です。
しかし残念なことに浮遊ゲートに電子を出し入れする際に、浮遊ゲートを覆っている絶縁体(酸化皮膜)が徐々に傷ついていきます。
傷があるていど大きくなると、穴の開いた網のようなもので、電子を閉じ込めておくことができず、結果的に書き込みができなくなります。
SSDの仕組みにもよりますが数万回オーダーの書き込みでセル不良が起きるのでは無いかと言われています。
こういったセルが1つできるとそのセルが所属するブロックは使用不能になります。そのブロックは復活することはなく永久に使えなくなります。
傷がついたところ以外も壊れる
絶縁体(酸化皮膜)が劣化すると、もともと設計していた状態と異なってくるために、ちゃんと1と0を把握できなくなります。
読み書きしていないセルでも他のセルの劣化に電気的な意味で引っ張られるので、正常位な動作をしなくなる場合があります。
チップの使用頻度による破損防止
SSDは仕組み上、複数のフラッシュメモリを並行して使用して速度を高めています。そのためどうしてもフラッシュメモリの使用頻度はばらばらになります。
もし一部のフラッシュメモリチップの使用率が高くなった場合には、そのチップがまっさきに死んでしまう可能性があります。そうするとそのチップが担っていた記憶は消えることになり、使える容量も減ることになります。
そういったことがなるべく起きないように、フラッシュメモリチップの使用率を分散する仕組みが取られています。これをウェアレベリングといいます。
対策は取られていますが潜在的にチップは使用不能になる可能性があります。
耐用年数
フラッシュメモリは注意深く使っていても耐用年数があまり長くありません。これはやはりフラッシュメモリの劣化によるものです。現在のSSDの寿命は長くても10年から数十年と言われています。
使用頻度によってはそれよりも全然速くに寿命がくることもあり、故障が多いイメージがあるのかもしれません。
もちろん記憶していた情報は失われることになります。
まとめ
このようにSSDは意外とデリケートなストレージだと言えます。しかし技術の進歩で壊れにくくなってきていることも確かです。
SSDの特性上、大量のデータを書き込むデータベースサーバなどでは故障が多くなるかもしれませんが、個人的な使用ではほとんど問題は無いと思います。
もしSSDの故障率が気になるなら、OS起動にはSSD、データ保存には大容量HDDと分けるの被害を最小限に抑えられる手かもしれません。