感染力が高すぎる「はしかウイルス」
関西国際空港でのはしかの集団感染がおおきなニュースになっていますが、感染力が強いので稀にこういった集団感染が起きてしまうのが「はしか」の怖いところです。
はしか・麻疹(ましん)とは麻しんウイルスによる感染症ですが、このウイルスとてつもなく感染力が強いのです。
インフルエンザウイルスの感染力を1とした場合、「はしか」の感染力は10〜15程度になると言われています。強すぎますね…。
なぜ集団感染が起きちゃうの?
「たしかちっちゃい頃にはしかやったな」という人はもう「はしか」に罹ることはありません。
「はしか」に罹患するのは「はしか」に罹ったことのない人です。
「いや俺、予防接種受けているけど」と言われる人もいるかもしれませんが、実のところ予防接種での免疫は弱くなってしまう可能性がどうしてもあり、予防接種で100%はしかの感染を防ぐことは不可能なのです。
「はしか」の予防接種は国によって定められており、現在では時期をおいて2回の接種がされています。しかしその2回接種は平成18年以降からです。
複数回の接種するのは1回だけでは免疫が出来ない場合があるためです。
それより前に1歳時の1回のみ予防接種を受けた人はもしかしたら免疫がついていない、免疫が弱くなっている可能性があるかもしれません。
集団感染の危険性から、1回のみの接種だった時期の人に対しても2回めの接種が受けられるように法律が改正され平成20年からは中学生1年時と高校3年時にも接種を受けられることになりました。
ですので、平成18年以前の1回接種だった人は、18歳までなら2回めの接種を受けられる機会があるというとです。
もちろん任意接種は全額自己負担(治療ではないので保険が効きません)ですが、いつでも年齢に関係なく大人に成ってからでも予防接種をうけることが出来ます。(1万円ほどかかります)
1回予防接種で、かつ「はしか」に罹患したことのない人は2回めの予防接種を考えてみてもいいかもしれません。
現在関西空港などで流行している「はしか」に罹患した人も予防接種を受けていたはずですからね。
はしかの予防接種については最寄りの病院に問い合わせるのが手っ取り早いと思います。
マスクをしたら大丈夫なんじゃないの
はしかウイルスは、とても小さいのでマスクなど防ぐのは難しいです。
マスクが全く役にたたないというわけではありませんが、「はしか」を防げるほどでは無いようです。
はしかは特に飛沫感染での感染確率が高いので、マスクで防げないのはとてもキツイですね。
ですのでどうしても人混みでははしかウイルスの進入を許してしまうことになるようです。
感染力が強い上になかなか防げないというやっかいなウイルスなのです。
はしかの症状
発症して2〜3日は、熱・せき・鼻水など風邪と同じような症状がでます。風邪と違う点といえばと目やにが多くなる場合があります。また体感的には重たい風邪の様に感じる人が多いようです。
発症3〜4日目には、口腔内の頬側の粘膜にコプリック斑と呼ばれる白い斑点ができます。この斑点ははしか特有の症状なので、コプリック斑を認めれば、ほぼ間違いなく「はしか」と診断されます。
この頃には一度熱が下がったりしますが、また40度近い高熱がでたりと症状が急変する場合があります。
また「はしか」では麻疹という名前の通り、発疹が出始めます。最初は小さい範囲ですが、だんだんと全身に広がります。この発疹がかなり痒く感じる人もおり、高熱や目の充血、粘膜の充血などと並び辛い症状と言われています。

また「はしか」は、症状が重篤化し、肺炎や脳炎などの合併症を引き起こすケースもあるそうです。このような重たい合併症がでてしまうと、後遺症を残したり、死亡する場合もあります。
はしかの怖さを物語ることわざ
昔から「疱瘡は見目定め、麻しんは命定め」ということわざがあります。「疱瘡はあばたが出来て見た目が悪くなるだけだが、麻しん(はしか)は命に差し障るものだ」という意味です。
江戸時代など医療が発達していなかった時代では、「はしか」で命を失う人が多かったということです。戦後すぐくらいまでは、「はしか」で命を失う子供が多く、出生届を3歳位まで出さないという風習もあったそうです。そのくらい「はしか」は危険視されていたのですね。
まとめ
「はしか」に罹ったことがあるかどうかは母子手帳などに記録がされてたり、親が覚えていたりすると思うので、気になる人は「はしか」の罹患歴があるかどうかを確認した方が良いと思います。
その上で予防接種を検討するなどした方がいいかもです。
現在の集団感染が広がれば他人事ではなくなる可能性もありますからね。
事前に備えておくのも重要ですよ。