ネットでは安倍首相の政治を批判するときに、安倍清明との関係の話を持ちだし、安倍晋三は呪術的な何かを使っているに違いないとまことしやかに語る輩もいますが、ちょっと呆れてしまいますよね。
政治批判がしたいならオカルトなど持ち出さ無い方が良いのではないかと思います。
そこで今回は安倍姓のルーツに関してまとめてみました。
安倍ってあまり見かけない?
安倍晋三首相の安倍姓ですが、意外とめずらしい苗字ですよね。(東北や九州の一部では当たり前の苗字だったりするそうですが)
同じ「アベ」でも「阿部さん」なら結構見かけますが、安倍さんはあまり見かけません。私は学校や職場を通じて安倍姓の方にあったことはありません。
それもそのはず「安倍さん」は全国に12,000人程度とのことです。日本の人口からしたら0.01%ですね。
安倍清明と安倍首相は関係があるんでしょ?
さて安倍姓で有名なのは安倍晋三首相以外にも、平安時代に活躍した陰陽師の安倍清明がいます。
安倍晋三と安倍晴明はなにか関係がある!!
ということにしたがる人もいるようですが、おそらくほとんど関係ありません。
もともとは同じ一族だったのかもしれませんが、家系としてはかなり離れているのではないかと思います。
安倍はもともと阿倍だった?
安倍姓の元は阿倍姓であるとされています。
阿倍姓は神をもてなす饗応を意味する言葉から生まれた姓ではないかという説があります。
阿倍姓は現在でもいらっしゃいますが、安倍姓よりも数はぐっと少なく全国で200人程度と言われています。
現在の阿部、安倍、安部などの姓はこの阿倍姓からの派生とされています。
安倍性のおおきな流れ
もう少し安倍姓のルーツを追ってみると、安倍姓は大きく2つの流れがあったようです。
1つは安倍晴明で有名な陰陽師系統の安倍姓。
1つは東北で栄えた奥州安倍氏の系統の安倍性です。
安倍晴明の安倍
安倍晴明は現在の大阪府阿倍野区に生まれたとされています。
安倍清明で有名な陰陽師ですが、実は明治初期まで天文や暦や占いの編纂を担当する「陰陽寮」という部署として存在していました。
しかし室町時代以降、陰陽寮を統括する家系は安倍姓ではなく土御門姓を名乗ることになりました。つまり戦国時代以前から陰陽道といえば土御門姓ということになったようです。
安倍首相のルーツは岩手県?
一方安倍晋三首相の安倍姓ですが、どうやら奥州安倍氏の流れを汲むようなのです。
というのも以前首相は選挙遊説の際に岩手県に訪れた時「安倍貞任の末裔が私。岩手県はルーツ」といった趣旨の話をしています。
安倍貞任は東北地方で栄えた安倍氏の棟梁で平安時代中期の武将です。後の安東氏の祖とも言われています。
安倍首相はおじいちゃんが首相だったり、議員だったりして家柄はよさそうなので家系図も詳細に残っているのかもしれません。
世間話ならいざ知らず、選挙遊説であまりでたらめにルーツの話をすることは無いでしょうから、安倍首相のルーツが奥州安倍氏と信頼できるかと思います。
まとめ
安倍晴明と安倍晋三首相は遠い先祖としては関連があるかもしれませんが、直接的には関係がないと言っていいかと思います。