「雲泥の差(うんでいのさ)」の意味は「あまりにもかけ離れている様」です。
出典は「後漢書」。文字通り中国の後漢時代に書かれた歴史書です。この書物の矯慎(きょうしん)伝という編に呉蒼という人が矯慎という人に宛てた手紙の内容として
仲彦(ちゅうげん)足下(そくか)、勤めて隠約(いんやく)に処(お)る。雲に乗り泥(でい)を行き、棲宿(せいしゅく)同じからずと雖ども、西風有る毎に、何ぞ嘗て歎ぜざらんや
「仲彦殿、あなたは自ら進んで清貧でいらっしゃるし、高い見識で物事を考えているのに対して、私は世俗の中でうごめいております。、それぞれの生き方は違いますが、あなたの住んでいる西から風が吹いてくると、あなたのことを思わずにはいられない」
という一節があります。「雲に乗り泥(でい)を行き」の部分が「高い見識で物事を考えているのに対して、私は世俗の中でうごめいております。」の意訳になり、本来は謙遜の内容ですが、この部分が「あまりにもかけ離れた様」を意味するとして「雲泥の差」というようになったのです。