愛するものと分かれる苦しみ「愛別離苦」

  • 2016/09/03 11:57:03

「愛別離苦(あいべつりく)」は「愛する者と分かれる苦しみ」を意味します。

出典は「大般涅槃経(だいねはつねはんぎょう)」。4世紀ころに成立したとされている初期仏教の経典です。

この経典ではブッダの足跡を叙述しており、さまざまなエピソードがあります。

愛別離苦に関してのエピソードもいくつかありますが、よく知られているエピソードに以下のようなものがあります。

ブッタが祇園精舎のある舎衛国に滞在していたときの話。
幼い男の子を亡くしたばかりのキサーゴータミーという名の女性が、子供の死を受け入れることが出来ず、遺体を抱えたまま救いを求めて、狂乱したように町を徘徊していました。

ゴータミーは舎衛国に滞在しているブッタのことを聞きつけたのか、ブッダに救いを求めました。ブッタは「それでは、死人の出たことの無い家からケシの粒を一つもらってきたら苦しみを癒してあげます」と言いました。

これを聞いたゴータミーは家々を回りケシの粒を求めましたが、死人が出たことの無い家などなく、得ることが出来きませんでした。しかし、このことでゴータミーは人生の無常を知り、子供の死を受け入れることが出来ました。ゴータミーはそのまま出家して後に悟りを得ました。

経典では愛別離苦はこの世の苦しみの一つだとされています。

根本的な苦を生・老・病・死のを根本として四苦とよび、愛別離苦(あいべつりく 愛する者と別離すること)、怨憎会苦(おんぞうえく 怨み憎んでいる者に会うこと)、求不得苦(ぐふとくく 求める物が得られないこと)、五蘊盛苦(ごうんじょうく 肉体とが思うがままにならないこと)の四つの苦を合わせ「四苦八苦」といいます。