ハッカを食べたり、ハッカ油を塗ったりすると冷たく感じるのはなぜ?

  • 2016/08/09 14:42:13
目次
  • 1:実際に温度が下がっているわけではない
  • 2:寒さ・冷たさを感じるということ
  • 3:TRPM8の少し詳しい話
  • 4:脳はメントールに騙されている
  • 5:熱中病の対策にはならない
  • 6:まとめ

ハッカ飴を舐めるとスーッと冷たさを感じますよね。ハッカ油を肌に塗ってもスーッとします。清涼感を味わうことができて暑い時期などにはありがたいものなのですが、なぜハッカを食べたり、ハッカ油を塗ったりするとスーッとするのでしょうか?

実際に温度が下がっているわけではない

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私達が寒さを感じるのは、温度が下がるからです。状況にもよることですが、一般的には27℃以下で寒さを感じ始めるようです。

また冷たいと感じるのも同じような温度とされています。27℃というと暖かいような気もしますが理由は後述します。

ということはハッカ飴やハッカ油は27℃以下に温度を下げてくれるのでしょうか?もしそうだとしたら天然のエアコンですね。

しかし残念ながら、ハッカは温度を下げているわけではありません。

ハッカが冷たく感じるのはハッカの主成分である、メントール(L-メントール・薄荷脳)の仕業なのです。

寒さ・冷たさを感じるということ

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私達は寒さ・冷たさを、温度覚を通して感じています。冷たさは冷受容体というタンパク質できた組織があり、そこで感じることになります。この冷受容体はTRPM8と呼ばれ、皮膚などに分布して存在し、感覚神経の末梢とつながっています。

TRPM8は一定の温度以下に温度が下がるとそれを検知します。その一定の温度というのが大体27℃付近だといわれています。これが私達が27℃以下から寒く感じはじめる理由です。

TRPM8は検知した「寒いです」という情報を脳に伝達します。脳はその情報はその情報を受け取って、例えば身震いなどの体温を上げる働きをしたりします。

TRPM8の少し詳しい話

TRPM8が温度を感じる仕組みは、TRPM8の電位依存性という性質が関係しています。TRPM8は27℃付近でこの電位依存性が活性化して、イオンチャネルという門のようなものが開口します。ここにイオン(ナトリウムイオンなど)が通ることで冷たさを感じるようになっています。

そしてなぜかこのTRPM8はメントールによっても電位依存性が活性化する性質があります。そのため通常では寒い・冷たいと感じない温度域(27℃以上)でも、イオンチャネルが開く為、寒さ・冷たさを感じるようになってしまうのです。

脳はメントールに騙されている

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上記で説明したとおり、メントールはTRPM8を刺激して、本来ありえない温度でも冷たさを感じるようにしてしまうので、ハッカ飴を食べたり、ハッカ油を塗ったりするとスーッと冷たく感じるようになります。

ミントもメントールを多く含む植物で、ハッカと同じくTRPM8を刺激します。ミントアイスやメンソールタバコなどは清涼感が得られるので人気ですよね。

メントールで刺激されると本来は寒く無いのに寒さを感じるので、脳は体温を作り出す仕事を始めます。

ですから少し不思議ですが、ハッカは本来効能として体を温める、新陳代謝向上を有しています。

熱中病の対策にはならない

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夏になるとメントールを使った製品が沢山売られています。制汗スプレーやボディーペーパーなど使われている方も多いのではないでしょうか?

しかしメントールで清涼感を感じられるからといって、熱中病などの対策にメントールを使うのは間違いです。実際に体温を下げる働きはありません。

熱中症の対策には、体温を下げる、もしくは体温を上昇させない有効な対策方法をとってくださいね。

まとめ

ハッカが冷たく感じる理由は理解いただけたでしょうか?

1つおせっかいな注意です。

入浴剤にメントールを使ったものがあります。これは適量であれば清涼感を味わうことができ良いものなのですが、より清涼感を味わいたいからといって大量に使うと、ものすごくTRPM8が刺激され激寒状態になってしまいます。

大変なのが暖房にあたっても、服を着込んでも寒さが和らがないので、メントールの効果がきれるまで寒さ地獄を味わなくてはならない点です。

筆者は実際に地獄をみました。

くれぐれもメントール系入浴剤を使うときは気をつけてくださいね。